書肆じんたろ

読書は著者との対話、知りたいことのseek & find、ひとときの別世界。 真理には到達できないのに人々はそれを求め続ける。世界が何であるかの認識に近づくだけなのに。正しいことより善いことのほうがいいときもある。大切なのは知への愛なのか、痴への愛なのか。

2004年12月



金井壽宏教授と高橋俊介教授はほとんど主張が同じに見えるが微妙に違うのは二人のバックグラウンドが影響しているのだろう。金井教授は研究職としての道を歩み、経営学というより心理学な視点からの考察が特徴である。高橋教授は工学系の学部出身で企業での経験やコンサルタントとしての経験からの主張に重みがある。端から見れば、高橋教授の方が説得力があるようにも思えるのだが、研究者としてのキャリアは金井教授の方が長く、この本では高橋教授がちょっとびびっているようにも思えた。

ロジカル・シンキング入門 (日経文庫)
茂木 秀昭
日本経済新聞社
2004-07-01


論理的思考の大敵は「思いこみ」と「感情」です、というコピーが『ロジカルシンキング』(日経文庫)の帯に書かれている。ロジカルシンキングは何をどのように考えるかも重要だが、何をしてはいけないのかということも大切である。最近ロジカルシンキングが企業でも重視され始めた。日本企業の風土を変えていくことができるかどうかは、経営者や労働者が自らの思いこみと感情を自覚するところから始まるのだろう。

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