書肆じんたろ

読書は著者との対話、知りたいことのseek & find、ひとときの別世界。 真理には到達できないのに人々はそれを求め続ける。世界が何であるかの認識に近づくだけなのに。正しいことより善いことのほうがいいときもある。大切なのは知への愛なのか、痴への愛なのか。

2005年08月

組織マネジメントのプロフェッショナル
高橋 俊介
ダイヤモンド社
2004-06-17


高橋俊介氏の本の中でもとくに現場で参考になる本だ。PLAN-DO-SEEという仕事のサイクルの表現があるが、この本では、WHAT-HOW-DO-CHECKというサイクルの重要性が強調されている。確かにPLANには「何を」「どのように」行うかということが含まれている。そして現在、職場では「何を」という課題設定できない人材が多いらしい。「どのように」は比較的考えやすいが、「何を」というのは普段から課題意識をもって生活していないと思い浮かびにくいからなのだろう。また、IBMでのプロフェッショナル人材育成法、リクルートの人材輩出戦略、青梅慶友病院の顧客指向経営のケース紹介も人材育成を考える上でとても参考になる。

川本裕子の時間管理革命
川本 裕子
東洋経済新報社
2005-07-29


133ページで1200円とはちょっと割高な本である。しかし、コンサルタント会社のシニアエキスパートを務め、数々の政府の委員会の委員となり、2児の母であるこの人の時間管理は参考になる。時間はあくまで総量規制で管理する。時間は有限であるのでやたらと詰め込まないのがコツだそうだ。フランス人は長いバカンスでいいなあと思っていたが、バカンス前の集中力と段取りの良さは日本人も見習う方がよいらしい。仕事もオフも楽しんでいる人だということが伝わってくる本である。



革命社長
吉越 浩一郎
日本実業出版社
2005-06-23


トリンプ日本支社の吉越社長はすごい。18年間で売上は5倍、従業員は120名のままなのに残業がほとんどゼロに近い。時間をごまかしているわけではないようだ。150万円かけて自動的にオフィスの電灯が消える設備も入れた。秘密は社長が主催し、かつ演出する早朝会議と毎日2時間のがんばるタイムの設定にあるようだ。会社で一番働く人のようだ。判断は2分以内で行うことによってスピードをあげている。採用試験もSPIと独自開発した職人の芸を盗む技術。教育は販売員以外は行わない。自分で育つのが基本だからだそうだ。これができるのは、ロジカルシンキングを社内共通の考え方にしているせいだろう。


このページのトップヘ