経営者や管理職の視点でメンタルヘルスを考える本。
メンタルヘルスの本といえば、精神科医やカウンセラーが診断と対応について書いた心理学書が多く、こういうコンセプトの本は少ないように思う。
メンタル不調による休職や生産性の低下、それが原因で引き起こされる自殺や労働災害によって、企業は大きなリスクと向き合っている。著者は現代を「ハイパー・チェンジ・エイジ」ととらえている。つまり、リストラや成果主義などにより職場は大変革の時代となっているのだ。経営者や管理職もこの変革が従業員にどのようなメンタルな影響を及ぼし、どのようにリスクを減らすかを考えないといけない。
ラインケア、セルフケア、職場のカウンセリングに加えて、会社と独立した専門家へのアクセスという4つのメンタルヘルスケアが必要であるということはよく理解できる。ラインケアも個人的な努力でなく組織的な対策がなければ問題は解決しないのだろう。