書肆じんたろ

読書は著者との対話、知りたいことのseek & find、ひとときの別世界。 真理には到達できないのに人々はそれを求め続ける。世界が何であるかの認識に近づくだけなのに。正しいことより善いことのほうがいいときもある。大切なのは知への愛なのか、痴への愛なのか。

2010年02月

カスタマー・ロイヤルティの経営―企業利益を高めるCS戦略
ジェームス・L. ヘスケット
日本経済新聞社
1998-02-01


HBSでサービスマネジメント分野を担当する教授たちが書いた本。サービスマネジメントの基本的なフレームワークはすべて載っている。サービス・プロフィット・チェーン、4Pと3R、サービスマネジメントの好循環、悪循環など。



第2部の「カスタマー・ロイヤルティをつくれ」は興味深い。とくに縦軸にリピート率(ロイヤルティ)、横軸に顧客満足度をとり、「伝道者」「傭兵」「人質」「テロリスト」に分けマーケティングに対する資源配分を考え直せと説いている。伝道者は顧客維持への貢献が高いが、テロリストは顧客を失わせる。満足度調査も業種によって平均値は違うが、5段階の4では意味がなく、5でないと伝道者は生まれない。



第3部のサービス・プロフィット・チェーンの実行ではタコ・ベル、シアーズなどの営利企業だけでなくニューヨーク市警察の組織改革のケースも取り上げられている。ニューヨーク市警がどうやって犯罪の減少に取り組んだか。これはサービスマネジメントの実行そのものなのだ。



顧客満足のためにはまず、従業員満足が重要。従業員にはビジョンを示し、選考においては技能でなくサービス業に向いているかどうか(他人に奉仕することに喜びを感じるか)で選ぶ。顧客の最前にはアルバイトなどの低コスト従業員でなく、正社員を置く。サービスの評価は顧客に直接聞く方式(ホテルなら宿泊客への毎回のアンケート、BAは離れた顧客に電話でアプローチ)をとる。



エンパワメントを行い、現場での裁量権と自由度を与える。そうすれば、顧客の要望に迅速に応えることができる。一瞬で消え、取り替えがきかないのがサービスという商品だからだ。



サービス保証(満足しないと料金は返還するなど)はロイヤルティを高める。



サービスマネジメントで定式化されたことが次々と書かれている。しかし、実行するにはやはりリーダーの強い意思がないと難しいことばかりである。






NHK大河ドラマの影響で龍馬ブームである。福山雅治の坂本龍馬もよいが、香川照之が演じる岩崎弥太郎も魅力的だ。



この本は主に龍馬が兄弟姉妹に宛てた手紙から龍馬の人となりや考え方を追っている。NHK大河ドラマの時代考証にもなる。



勝海舟の弟子、亀山社中から海援隊へ、薩長同盟の立役者、船中八策は日本の骨格となったなど偉人伝として捉えられる龍馬だが、明治維新まで生き延びていたらどういう役割を演じていたのだろうか、とは誰もが思う。



おそらく岩崎弥太郎の創った三菱と並ぶ財閥をつくっていたのではないだろうか。ややこしい時代に生きたややこしい人物だったことは間違いない。


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