この本で日本の軍事のあり方、抑止力、周辺諸国との歴史認識問題などの疑問が氷解した。
著者は自衛隊に入庁し、防衛庁の中枢でイラク派遣にも関わっている。イラクで誰も殺さなかったことを誇りに思っている。イラクで自衛隊の犠牲者を出す覚悟はなかったとも書いている。ひ弱な防衛庁幹部ともいえる。
戦わずして勝つ。本当の意味がわかったように思う。
抑止力には、報復的抑止力(やられたらやりかえす本土破壊よる抑止)、拒否的抑止力(これ以上は攻めさせないという局地戦争を想定する抑止)という考え方がある。
日本の抑止力を考える上で、米軍との同盟、米軍基地の存在、自衛隊の役割はどうあるべきかを考える必要がある。
防衛庁OBでも尊敬できる人はいるんだ。本当は自衛隊や軍隊の隊員が尊敬される、そんな国にしないといけない。70年間戦争をしなかった日本はそんな国になる資格がある。そう思った。