組織設計のマネジメント―競争優位の組織づくり
ジェイ・R. ガルブレイス
生産性出版
2002-09


組織設計をすることは、戦略、構造、プロセス、リウォード、人材の5つのポリシーを組み立て、それぞれの整合性を設計することである。これをジェイ・ガルブレイスはスター型モデルと名付けている。この本は、最近流行の組織モデルであるプロセス組織、分散型組織、ヴァーチャル組織、フロント/バック組織などについても紹介されている。環境の変化にいかに適応する柔軟な組織を作るかに力点が置かれているように思う。最もためになったのは組織の横断的調整のプロセスである。現在では機能別組織、事業部別組織などの純粋なモデルとしての企業や団体は存在しないだろうと思えるが、どんな組織でも機能やユニットで区分するとその間に壁ができる。それは各部門の業務プロセスや人的構成、組織文化などの要因が大きい。しかし、普段からその壁を意識してどのように調整を行うかで、組織のパフォーマンスは変わってくるだろう。必ずしもマトリスク組織などの指示系統や権限があいまいになる形をとらなくてもよいような気がする。