この本は2001年に出版されたものだが、今の中高一貫校ブームを先取りしている。

2002年から始まる学習指導要領での「ゆとり教育」による授業時間数減少が、「超」教育階層社会の到来を生み、私立の中高一貫校の人気に拍車をかけるという予測は見事に当たった。この頃の私立受験率は東京では20%に達していたが、首都圏全体では13.7%だった。今は東京で30%に達し、首都圏全体では20%を越えている。

教育コストは私立中高一貫から国立大学に進学できるなら、公立の中高から私立大学に行くのとそんなに変わらない。東大、京大に行かせるのなら中高から私立に行かせた方が早道ということ。

この頃、公立の中高一貫校について、まだ不透明だったが、7年間で進学校としての公立中高一貫校が設置されている。当時とは事情が少し変わっているように思うが、ゆとり教育の政策が私学だけでなく公立の中高一貫も促進したということだろう。