書肆じんたろ

読書は著者との対話、知りたいことのseek & find、ひとときの別世界。 真理には到達できないのに人々はそれを求め続ける。世界が何であるかの認識に近づくだけなのに。正しいことより善いことのほうがいいときもある。大切なのは知への愛なのか、痴への愛なのか。

カテゴリ: 思考法・表現法

一番伝わる説明の順番
田中耕比古
フォレスト出版
2018-06-08


職場で、自分には説明力が不足していると言っている従業員が多いというアンケート結果を見た。
それで、その手の問題解決で良い本がないか、本屋で探した。
面白そうだったのがこの本。帰りの電車で読めてしまったけど。
著者によると、説明がわかりにくいのは、その人の頭が整理されていないから、とバッサリ。
自分で考えることの順番と、相手に説明することの順番は違う。
その上で、著者は、話す順番が大事だが、その前に
①相手と自分の知っている前提をそろえる
ことが大事とか。そして、
②結論・主張・本質
③根拠・理由・事実
④補足情報
⑤結論・相手に促したいアクション
が、自分主導の場合の説明の順序だと言う。
相手から質問される場合はまた違うと。
グロービスのプレゼンの本でも強調されていたが、この本でも、相手が知りたいことを明確にするのが第一歩だと言っている。
冗長な説明を直すには、
・サマライズ
・クリスタライズ
のスキルが必要だとも。
サマライズは要約だけど、クリスタライズは結晶化=本質を取り出すこととか。
この本には「本質」って言葉が随所に出てくる。
でも、哲学的な意味ではなく、「枝葉」に対する「幹」とか、ストーリーにおけるキーワード程度の意味で使っているようだ。

プレゼンの技術
グロービス
ダイヤモンド社
2014-10-06


買ったまま長らく読んでいなかった本。
昔、受けた授業そのものだった。
小手先のプレゼン技術も大事だけど、プレゼンの目的、聴き手を理解するという資料作成前のことにかなりページが割かれている。
プレゼンは誰かを動かそうとするものなんだから当たり前。けれどここまで徹底して書かれている本は案外少ない。今日あべのハルカスの丸善で物色していてそう思った。

Google流資料作成術
コール・ヌッスバウマー・ナフリック
日本実業出版社
2017-02-16


Googleのピープル・アナリティクスチームにいた人が書いた本。
文書やプレゼンテーションのデザインについて参考になる。
グラフでも、円グラフ、3Dグラフは使うべきでないというのが著者の主張。確かにわかりにくいだけ。
二軸グラフも使わないほうがいいとか。使うなら、左右に目盛りを付けるのではなく、二つのグラフを縦に並べて見せるほうがいい。
グラフにして見せられるとそう思う。
この本はゲシュタルト心理学を応用したり、理屈もわかりやすい。

戦略思考が身につく 問題解決トレーニング
西村 克己
イースト・プレス
2021-02-17


入社5年目くらいの社員が当たる問題を事例としてクイズ形式で書かれている。
自分の部署の仕事にこだわり、会社の全体のことを考えない事例など、全体最適ではなく部分最適にとらわれる例とかわかりやすい。
でも、三択とかの問題仕立てがちょっと飛躍しすぎた答えになっていたりする。
答えの描き方には改善の余地があるように思った。
問題解決のトレーニングとしてはおもしろい本だと思う。
「現役東大生が考えた~~~~」という類書もあったが、それよりは現実に即している事例が多くある。

書くための文章読本 (インターナショナル新書)
瀬戸 賢一
集英社インターナショナル
2019-12-06


「た」「ます」「である」などの文末問題だけで一冊の本になるとはね。
ふつう小説や日記は過去形で語られるので「た
」の連続になりがち。文末のバリエーションを変えると、「主体性」を高めることと同じになるとか。
私はこんな本を読みました。こんな内容でした。
と書くより、
こんな本を読んだ。あれあれ、こんなことが書いてある。えっ、そうなの? 面白いこと言うね。
と書く方が「私」の主体性が高まり、臨場感が出るってこと。

余談ですが、斎藤美奈子によると、文章読本の御三家は昔、
谷崎潤一郎、三島由紀夫、清水幾太郎の著書だった。
新御三家は、
本多勝一、丸谷才一、井上ひさしの書いた本なんだとか。

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