渡邉 雅子『論理的思考とは何か』 岩波新書
桑瀬章二郎『今を生きる思想 ジャン=ジャック・ルソー 「いま、ここ」を問いなおす 』講談社現代新書
池上彰『世界から戦争がなくならない本当の理由』 祥伝社新書
2015年に出版された池上彰氏の『世界から戦争がなくならない本当の理由』(祥伝社)を古本で読んでいたら、最近新版が出ていました。
ウクライナとガザの戦争が付け加えられたものです。
この本を読むと、ソ連・東欧の社会主義体制の崩壊により、東西冷戦の終結後、新たに宗教や民族問題がイデオロギー問題より優位になってきていることがわかりやすく解説されています。中国は今、経済的利益をにらんで、アメリカとロシアの対立を注意深く見守っていることもよくわかります。
東西冷戦下でもベトナム戦争や中国によるベトナム侵攻、ベトナムによるカンボジア侵攻、ソ連によるアフガニスタン侵攻などが起き、地域紛争はその頃からイデオロギーだけでなく民族や宗教など複雑な要因がありました。
池上氏が戦争がなくならない理由としているのは、人間は戦争の失敗要因に学ばないからということだと思います。
ベトナム戦争でのベトナムを見れば、自国を守るために気概や兵力でウクライナがロシアの侵攻をはねのける可能性がるのはわかりそうなものですが、ロシアはクリミアでの成功だけを見てしまうのです。
もう世界をアメリカの帝国主義とイデオロギーを基軸に考えられるような状況ではありません。
アメリカを敵とみなすのは時代遅れなのです。